INSTANT KARMA

We All Shine On

希望

「ミニシアター・エイド基金」の催しで、のん(能年玲奈濱口竜介監督深田晃司監督トークしたようだ。

このサイトにイベントで語られた内容や当日の様子が詳しくレポートされている。

日本映画業界の構造的問題、ミニシアターの重要性、日本映画業界の過酷な労働環境(契約問題、賃金問題、ハラスメント問題)などが指摘されている。

フランスに範をとった日本版CNCの設立を目標としているという。

のんは、ミニシアター・エイドの応援コメントを出して支持者の拡大につながった功績からイベントのゲストに招かれるかたちとなった。

二人の監督から初長編監督作品「Ribbon」を絶賛され、

特に濱口竜介監督(あの「ドライブ・マイ・カー」や「ハッピーアワー」や「偶然と想像」の監督ですよ!)から

「自分のあんな良い顔を撮れるのはすごい!」

それはもう、クリント・イーストウッドの境地です。「俺の顔を撮っておけばいい」みたいな(笑)

などと激賞されているのを読んで、わがことのように嬉しくなってしまった。

芸能界に光と闇、清と濁の部分があるとすれば(日本は後者の方が圧倒的に優勢ではあるが)、光と清の体現者であるのんが、いまや日本映画の良心の部分を担っている濱口監督と結びつくことは必然といえばいえるが、こうも目の当たりにすると感慨がいや増す。

これから「さかなのこ」「天間荘の三姉妹」の映画の公開も控えており、女優仕事にもますますの充実ぶりが見られる。

もはや、旧事務所に代表される芸能界の守旧派勢力との戦いは、完全にのんの勝利に終わっている。

彼女はもはや、「地上波テレビのドラマ出演がない」とか「NHKの連ドラに出演できない」とかいったチンケなレベルで論じられるようなスケールの存在ではなくなった。

のんの主演作「私をくい止めて」はパリの劇場で公開され、彼女のCMは北京、上海、広州、香港など中国全土で流れている。

もうのん(NON)という女優は、世界レベルのアーティストなのであり、日本というローカルなガラパゴスに生きる存在ではない。

濱口竜介監督がカンヌやハリウッドで評価されているように、日本の芸能界を置き去りにして、ワールドクラスで真価を証明している。

女優のみならず、美術家として、映画監督として、芸能事務所の社長として、大活躍している。こんな人はいまだかつていなかったし、これからもいないだろう。

日本の<メディア>が彼女のことを大谷翔平井上尚弥藤井聡太のような”ズバ抜けた人物”として取り上げないとすれば、それは単にこの国の<メディア>が芸能界の闇とつながって腐りきっているという事実を示しているだけである。

のんにはもはやライバルはいない。あまりにも突き抜けたところにいて、どんなライバルの視界にも捉えられない場所にいる。まだ可能性(ポテンシャル)は無限大である。

濱口竜介監督
監督としても素晴らしいですが、役者さんとしても素晴らしいと思います。

のん
ありがとうございます。演技は、大、大、大好きなので、一生現役でやっていきたいなと思っています。

このやりとりがもうエモくて尊くて涙が溢れてくるのをどうにかしてもらえないだろうか。

二人のやり取りにこの国の残された希望を見る。