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Déjà Vu

3日前のブログに、「ロック世代の黄金期を担ったひとびとがもう七十代から八十代になっているのだから、われわれはこれからこうした訃報にますます頻繁に接することになるだろう」と書いたばかりだが、今朝はデヴィッド・クロスビー(David Crosby)の訃報が飛び込んできた。

自分にとっては、デヴィッド・クロスビーといえば、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングであり、名盤『Déjà Vu』である。

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングは、ザ・バーズのデヴィッド・クロスビー、バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、ザ・ホリーズのグラハム・ナッシュ、そしてニール・ヤングが結成したスーパーグループで、スーパー・グループにつきものの内部対立ですぐに分解してしまった。残したスタジオ・アルバムは『Déjà Vu』だけで、これはロックの歴史におけるベスト・アルバムの一枚といってもいい名作である。中でもこのアルバム収録の「ヘルプレス」はニール・ヤングの代表曲といってよい。

・・・などとロックの教科書的なことはいくらでも他所で読めるので、個人的なことを書く。

昨日も、松村雄策の本を読みながら、「ロックが好きな人でニール・ヤングが嫌いな人はいない。ニール・ヤングが嫌いという人は、要するにロックが嫌いなのだ」という自作テーゼを頭の中で反芻していた。

ニール・ヤングについてはいろいろ書きたいことがあるが別の機会に譲って、クロスビーについて書こうとしたが、正直何も浮かんでこない。

訃報を機にネットで彼の記事を読んだら、後半生はドラッグ中毒や銃器法違反で実刑判決を受け服役するなど相当に波乱万丈だったようだ。

そんな中で、60年代に関係した女性が生んだ実の息子と劇的な再会を果たし、息子(ジェイムス・レイモンド)との共作やプロデュースで数多くの作品を発表するようになったという。知らなかった。

2021年にも作品を発表しているが、ここ最近は長く病床に就いていたようだ。

81歳ということだから、天寿を全うしたといえるのだろう。

今日は『Déjà Vu』と彼のファースト・ソロアルバム『If I Could Only Remember My Name』を繰り返し聴こうと思う。