INSTANT KARMA

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あのつとむが

ノストラダムスの大予言で一発当てた五島勉(本名・後藤力 ごとうつとむ)は、国会図書館デジタルで検索すると、それ以前は専ら「乱れた性風俗」を取材したと称する猥雑なエロ記事ばかり書いており、「ノストラダムス」を書く直前には創価学会池田大作の提灯本を執筆している。「ノストラダムス」を書いたのは、創価学会の信者獲得のために世界終末論を煽る必要があったためではないか、などという声もあったらしい。

事程左様に、五島のオカルト知識や歴史哲学の教養は殆どお話にならないものであった。彼の書いたものが、ほとんど児戯に等しいレベルの内容であったにもかかわらずあれほどの影響力を持ったのは、当時の社会状況の行き詰まり感、一般大衆が抱いていた未来への漠然とした不安に終末予言の恐怖がクリーンヒットしたからに他ならない。

いつの時代にも、破局や災害を予言する無責任な占い者は後を絶たない。ああいう連中は、予言が外れても絶対に責任を取ることはない。中世には占いで世を惑わす人間は火炙りにされたが、それにはそれなりの理由があった。

こんなオッサンの世迷いごとに文字通り迷わされていた小学生の頃の自分が哀れでならない。