今朝から寝違えた首をはじめとして全身のあちこちが痛く、湿布を貼っても全然痛みが引かない。そういえば西村賢太の日記にはいつも首やら腰やら全身の痛みに苦しんでいる描写があったなあ、などと番組を見る前に思いを馳せたりしていた。
夜の11時から見始めて、たっぷり1時間の特集。ただし本人とは直接関係のない読者たちの場面がけっこうあって、実質的には40分番組のような印象。
最後の10分の内容がなかなか濃かった。
田中慎弥のインタビュー、中学の同級生のインタビューと中学の卒業写真(これは初めて見た)、西村がよく出入りしていた文壇バー「風花」の女主人による「西村賢太のすべての小説は母親への手紙だったのではないか」という話。
最後の、七尾の海を背景にした終わり方は中々風情があってよかったが、全体的には何んとも慊いものではあった。結句、NHKのブランドをもってしても、肉親(母親、姉、そして父親)や秋恵やその後に付き合っていた女性への取材は叶わなかったということか。
まあ、決して流行作家とは言えず、もはや人気作家とも言えないだろう西村賢太という私小説作家についてこれだけの番組が放映されたということだけでも一読者としては満足すべきなのであろう。