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ハンナ・アレント「人間の条件」をよむ(てきとうな備忘録)

昨日書いたようなことは、ハンナ・アーレントの次の作品『人間の条件』に書いてあるっぽい。

それで読んでみる。なかなかハード。

初っ端から、人工衛星打ち上げの話。その重要性において核分裂にまさるとも劣らないとある。この「プロローグ」の冒頭部分だけで、二十一世紀の今も通用する話だと言うことが分かる。


さらに次の箇所を読めば、まさに今の時代のことを書いているとしか思えない。

・・・地球に拘束された生き物でありながら宇宙の住人のようにふるまい始めているわれわれ人間が、自分たちのすることを未来永劫理解できなくなるかもしれない。

自分たちがしていることを考えたり言葉にしたりすることはできないけれども、それでもわれわれは実行することができる。その時には、われわれの思考の肉体的・物理的条件である脳はわれわれがしていることを理解できないので、今後はわれわれに代わって考えたり語ったりしてくれる人工的な機械が必要になるだろう。

もし知識(今日言うところのノウハウ)と思考が永遠に分かれたままになるとすれば、われわれは機械というよりは技術的知識の前にひれ伏す奴隷となるだろう。それがどんなに恐ろしいことでも、技術的に可能であれば何も考えずに機械に従う生き物になってしまうだろう。

 

そこで、この本の中心テーマは、「われわれが行っているのは、いったい何なのか」である。

これが分からなければ、われわれは技術的知識(人工知能)の前ににひれ伏す奴隷となるだろう。これは今まさに起ころうとしていることではないか。

政治的全体主義や経済的全体主義の時代を潜り抜けている人類が、「人間」であるための条件とは何なのか、それを探っていこうという本なのだ。

なんだかワクワクしてきた。

 

ところで今のイスラエルの現状を「異端的シオニスト」だったアーレントが見たら何と言うだろう、とか思っている。