INSTANT KARMA

We All Shine On

さいざんすマンボ

今のガザのジェノサイドに対する人々の無関心を見ているとやはり人類は種として退化しておりますます動物化しているという気がしてくる。

そういう言い方は動物に失礼だろう。だから悪魔化していると言うべきか。

悪魔は恐ろしい鬼のごときサディスティックな顔をしているのではなく、極めて凡庸な俗物の容貌をしている。ルドンが描いた悪魔の絵を見て、悪魔とはまさにこれだ、と思った。本当に凡庸で醜悪で嫌悪感を催させる顔。

ナチス支配下のドイツ人がユダヤ人や少数民族の虐殺について知っていたと同じくらいにはガザ地区で行われていることを知っているのに、普通に日常生活を送っている我々はニーチェの予言した「末人」にほかならない。

歴史は繰り返しながらどんどん醜悪で劣悪になっていく。

国際司法裁判所(International Court of Justice)も停戦を命じることをしなかった。一般大衆への虐殺を止めて人道支援を可能にせよという最低限のことを命じたに過ぎない(それだとて何の強制力も実効性も持たないのだが)。

どこに正義(Justice)があるのか。

 

アーレントハイデガー』(エルジビェータ・エティンガー、みすず書房、1996年)

アーレントの本を読んで興味を持って読んだが、ハイデガーについては何も知らない。これを読むとただの好色なオヤジである。かたやアーレントほどの独立した知性の持ち主がここまでやられてしまうのだから男としての魅力はあったのだろうなと思う。

次はハイデガーでも読むか。