今日はおそらく今後1年間は訪れないであろう丸一日フリーの日だったので,都内の映画館をめぐって映画を見まくった。
といっても観たのは2本。
『愛のむきだし』についてはさんざん書いてきたとおり,すでにDVDで5回以上観ている。
映画館で見るとどうなのか確かめてみたかった。
1回や2回は勢いで見れてしまうのだが,さすがに6回も見ると,作品のアラが目についてしまう。
脚本は,出だしは非常に丁寧に書かれているのだが,途中からかなりラフになってきて,終わりの方では話を進めるために相当な無理をしているのが分かる。
そうはいっても,ラストシーンではやはり号泣してしまうのであり,凄い映画であることには変わりはない。
しかし,『愛むき』に思ったほどのめりこめなかった最大の理由は,その前に見た『母なる証明』が凄すぎたためだと思う。
正直,こんな物凄い映画だとは思っていなかった。想像を軽く超えた。
映画を見ながら,過呼吸で気分が悪くなるという初めての体験をした。
自分の感受性のメーターがレッドゾーンに達するのが分かった。
ラストまでドキドキしっぱなしで,エンディングでは衝撃で呆然とするしかなかった。
単なる感動というのではない。何と言えばいいのか分からない,胸を抉られるような情動。
いいとか悪いとか判断する以前に,本当に凄いものを見た,という感想が先立つ。
これ,主演している母親役の女優は,韓国映画界の最高級クラス,日本でいえば中村玉緒とか八千草薫とかそんな感じでしょうか?
そしてもう一人の主役は,言わずと知れた大スター,ウォンビン。日本でいえばキムタク・クラスだろう。
日本で,そんなクラスの俳優を使って,この作品を作ったら,なんて想像もできない。
感想は,改めて書く・・・,というか,こんなものを見せられたら,もう,なんもいえない。
僕は,韓国映画というものを高く評価しているつもりだったが,まだまだ見くびってました。
ポン・ジュノ監督は言わずもがな,この映画の製作陣すべてが現時点でパーフェクトなレベルにあると思う。
それで出てきたのがこの映画だ。
率直に言うが,『愛のむきだし』が児戯に思えるレベルだ。
言葉を失っている。付け加えて言えそうなことがあれば,また書くかもしれない。