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実家の処分

三年前に父親が死に、独り暮らししていた母親が高齢者住宅に移住したので、今年の初めから実家が空き家になった。

実家とはいっても、自分はそこで暮らしたことはない。生まれたのはその市の病院だが父親の仕事の関係ですぐに引っ越し、子供のころは年に一度お盆の時期に一週間くらい泊まりに行く祖父母の家という認識しかなかった。

自分が大学に入って独り暮らしするようになってから、親がそれまで住んでいた家を売って祖父が亡くなって祖母だけが住んでいた実家に移住した。その際に家を建て替え、平屋だったのを立派な二階建てにした。祖母は元からの家に増築していた離れの部屋で暮らしていたが数年後に亡くなった。

若干の自分の本などが残っているが、今実家にあるほとんど全部は両親のものだ。これを家財道具含めて全部処分し、土地建物を売却しようとしている。家財道具はほんの一部を除いて換価できるようなものはないから、業者に頼んで廃棄するしかない。生前整理業者を呼んで見積を取ることになっている。家の売却も仲介業者に頼んだ。できれば今年中に何とかできたらいいと思っている。

 

これまでの人生、運が80%で、実力は20%に満たない気がする。自分は運に恵まれていたがその恵みを無駄遣いしてきたと思う。人の役に立つようなことは何もしてこなかった。社会人としては云うに及ばず、趣味の翻訳もほとんど誰の役にも立っていないし、こんなブログなんて誰が読んでいるのかも全く不明。スピリチュアル活動も自分のためにやっていただけだ。

そういえば、活動を始めて間もない頃、会の帰りに、よく来ている男性と帰りの電車で一緒になったとき(その男性は他人を避けている節があり、とうとう名前も知らず仕舞いだった)、その人に世界は変わると思いますかと聞いたら「あと百年くらいしたらそういうこともあるかもしれないけどね」と苦笑しながら言われたので、この人は何を言ってるのか、百年どころかあと十年かかることもあり得ないじゃないか、と呆れたのを覚えている。

今になってみれば彼の方が現実というものが見えていたのは明らかであった。活動の参加者は主婦の割合が多かった。その中の一人に「よくオウムにハマらなかったね」と言われたが、その時は、何を言っているんだこの人は、識別力があればオウムなんかに行くはずがないだろうと呆れたものだが、識別力などといっても結局たかが知れていたのだから彼女の発言は至当であった。

自分の子にこの話をしなかったことは正しかったと思う。子供にスピリチュアルな話をして、その結果として子供も活動に関わって様々な問題を起こすこともあると聞く。

二十代で鬱になったりオウムにハマったりせずに済んだことには感謝している。だから全否定したり攻撃的な批判をすることはしない。しかし振り返ってみれば自分にとって足枷になってしまっていたとも思う。