若い連中がビートルズを好きなのは、彼らがいつもしたいことをして、誰に対しても勝手気ままにふるまっているからだ。だから若い奴らは彼らが好きなんだ―彼らはやりたいことをやってるからさ。若い奴らにはそれがわかってるんだ
青盤 1967-1970
CD2
1 バック・イン・ザ・U.S.S.R.
ビーチボーイズの「サーフィンUSA」と「カリフォルニア・ガールズ」のパロディ。
別名「ウクライナ・ガールズ」。今ではブラックジョークにもならない。
2 ディア・プルーデンス
このミックスも初めて聴いたが、すごくいい。引き籠り屋のジョンが、インドで引き籠ったミア・ファーロ(だったか?)に「出ておいでよ」と呼びかける曲。
全体的に「ホワイト・アルバム」はインドで作った曲が多くて、どれも名曲ぞろい。のちに「ジェラス・ガイ」になった「Child of Nature」という曲など、なぜリリースしなかったんだろうというくらいクオリティが高い。
3 ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
この頃から大名曲を連発していき、アルバム「All Things Must Pass」で爆発するジョージの、代表的なナンバー。今ではこの曲を聴くたびにプリンスを思い出しちゃう。
4 オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
子どもが喜びそうな曲だといってジョンが揶揄いそうな曲。
イントロのピアノはジョンが煮詰まってヤケクソになって叩いたものらしい。
5 グラス・オニオン
よくわからないけどかっこいい、というのが第一印象だった。その印象のまま今でも来ている。
こういう曲を作れる人はロックの歴史もはや長しといえどジョン・レノン以外に未だにいないんじゃないか。
6 ブラックバード
これもポールにしか作れない名曲。「コンプリート・ビートルズ」のエンディングに流れていて印象的だった。
7 ヘイ・ブルドッグ
久しぶりに聴くとポールのベースが凄くてびびった。もしビートルズの「新曲」(オクラ入りになった曲とか)でこんなのが出たら本当にびびったと思う。
8 ゲット・バック
極上のロックンロールだがビリー・プレストンのエレピが一番目立つという意味ではビートルズの曲としてどうなの、と思わないでもない。
9 ドント・レット・ミー・ダウン
屋上でのゲリラ・ライブの演奏は、さすがビートルズという感じで、初期のBBCセッションなんかも大好きなのだけれど、それとはまた違った生演奏の円熟した魅力が詰まっている。この曲はRCサクセションがカバーしていたのを覚えている。
10 ジョンとヨーコのバラード
ドラムスはポールが叩いているらしいが、完全にジョンとヨーコの私小説みたいな曲がビートルズ・ナンバーというのに違和感があった。曲自体もたいして良くないし(と当時は思っていた)。ジョンなら「ヘイ・ジュード」のお返しみたいな子供じみた真似をやりかねないなと思った。
11 オールド・ブラウン・シュー
今回の「赤盤」と「青盤」はジョージの曲をけっこう入れている。この曲も何で入れたのかよく分からないくらいビートルズの中では地味な曲だが、ジョージに気を遣ったのだろうか。今はけっこう好き。
12 ヒア・カムズ・ザ・サン
これは文句なしにジョージの傑作。ビートルズの曲の中でサブスクの再生数が一番多いらしい。汎用性があるということか。
13 カム・トゥゲザー
チャック・ベリーの曲はロックンロールのプロトタイプなのでビーチボーイズもビートルズもパクり使いまくっている。この曲はまともに訴えられ、たしか後々まで引きずったんじゃないだろうか。しかし別に物真似という感じはまったくなくて、完全にビートルズの曲(ジョンの曲)になっていると思う。マイケル・ジャクソンもカバーしていた(あんまり良くないけど)。
14 サムシング
これでもか、というくらいに名曲を作り続けていた後期ビートルズにおけるジョージの金字塔がここにも。どの曲も、ジョンっぽくもなければポールっぽさもない、まさにジョージ自身の個性が発揮されているのが凄い。
15 オクトパス・ガーデン
リンゴのボーカルが和む。作曲もリンゴだっけ。今では誰もが言うことだけれど、リンゴのドラムは本当に良い。これが欠けたらビートルズじゃないと言えるくらいにいい。ピート・ベストには悪いが、リンゴが加わったのはビートルズにとってベストな出来事だったとしか言いようがない。
16 オー!ダーリン
ジョンがボーカルを取れなかった(ポールが勝手に歌入れを終えてしまった)ことで後々まで恨んでいたという。後年、エレファントカシマシの「やさしさ」を聴いたときに余りにもこの曲のまんまだと言うことに気づいてびびった。確かにありがちなパターンかもしれないが、オリジナルはこの曲なんだろう。
17 アイ・ウォント・ユー
ストリップショーのBGMといえばこの曲かサンタナの「ブラック・マジック・ウーマン」というイメージがいつの頃からか出来上がってしまった。最後のリフレインは僕の中で松村雄策の小説「苺畑の午前五時」とセットになっている。
18 レット・イット・ビー
別の記事に書いた通り、NHKラジオから流れてきたこの曲がビートルズとの出会いだった。
全然話は違うが、NHKラジオは語学番組やら教養番組を流している第二放送がなくなると聞いてショックだった。1月からはBSも一本になってしまうという。
それで受信料は今までどおりっておかしくないか? そのうち教育テレビもなくなるのだろうか。それでニュースは全部AI音声になるのだろうか。
そんな世界に生きたいとは思わないな。
19 アクロス・ザ・ユニバース
名曲としかいいようがない。心の中から自然に流れてくるものを歌っただけという感じなのに、それがこれほど普遍的な名曲になるのだからやはりジョンは天才としか言いようがない。彼がこの世に生きていたことに感謝しかありません。
20 アイ・ミー・マイン
いかにも、なジョージの曲だが、初めて聴いたときは正直ハズレ、ビートルズの中でも一二を争う駄曲と思った。今でもそんなにいいと思わないんだよな、なんか歌詞が頭でっかちで観念的な気がして。ジョージの悪いところが出てる感じ。
21 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
青盤の最後を締めくくるのがポールのこの名曲(もう一曲あるけどね)。
確かに大げさなストリングスがない方がいいとは思う。でもこのアレンジが頭にしみついてしまっているから、これで聴きたい。
22 ナウ・アンド・ゼン
2023年にビートルズの「最後の曲」として発表された。
感想は前に書いたので繰り返さないが、ポールの意思を尊重したい。
R.I.P