Within You Without You / George Harrison
僕らは話していた
僕ら全員の間にある空間(スペース)について
そして幻想の壁の背後に隠れている人々について
真実を一瞥することもなく
死ぬときに気づいても もう手遅れなんだ
僕らは話していた
すべての人が分かち合うことのできる愛について
それを見つけたときには
それを保つようベストを尽くすんだ
僕たちの愛で
世界を救うこともできる
それを知ってさえいれば
すべては君たちの裡にあるんだ
誰も君を変えることはできない
君が本当はとても小さいことを知れば
生命は君の内と外に流れてゆく
僕らは話していた
冷え切ってしまった愛について
そして世界を手に入れても魂を失った人々について
彼らは知らず
見ることもできない
君のその中の一人なのか?
君が君自身を超えて見ることができれば
心の平安がそこにあることに気づくかもしれない
そして気づくときが来るだろう
僕たちはみな一つであり
生命は君の内と外に流れてゆくことに
1999年12月30日、ジョージ・ハリスンと妻のオリヴィア・ハリスンが住むフライアー・パークの自宅にマイケル・エイブラムという男が侵入した。
誰かが家に侵入する音を聞きつけたジョージはベッドを出てすぐにナイフを持っていたマイケル・エイブラムと対面した。
ジョージがナイフを奪おうとして争いになり、その際に侵入者はジョージの上に乗って、40ヶ所の刺し傷を負わせた。オリヴィアがランプを犯人の頭に叩きつけたことで、ジョージは一命を取り留めることができた。
通報を受けた警察と息子のダーニが現場に到着したとき、ジョージは半分開いた寝室のドアのすぐ内側に横たわっており、複数の刺し傷から大量に出血し、胸の切り傷からは血液と空気の混合物が泡立ち、唇と歯そのものが血まみれになっていた。壁や床には血痕があり、オリビアがこん棒として使っていたランプ台の緋色の破片が混じっていた。…まだ救急隊員がいなかったため、ダーニはティッシュペーパーとタオルで傷を塞ごうとしたが、 それは絶望的な仕事だった。
ジョージは青ざめ、息子に「行ってしまうよ」とつぶやいた。 ダーニは父親の頭を支え、手を握り、「行かないで、ここにいて」と語りかけた。
ジョージは救急隊員が到着するまでに4回意識が遠のいた。かろうじて息子の声によって瀬戸際から引き戻された。
ダーニによれば、ジョージは犯人のマイケル・エイブラムについて次のように語ったという。「彼は強盗でもなければ、トラベリング・ウィルベリーズのオーディションを受けに来たわけでもなかった」
ジョージは既に当時肺癌を患っており、40ヶ所の刺し傷のうちの一つが肺に達していた。医師はこの襲撃が容態を悪化させたと見ており、事件から2年後の2001年11月29日にジョージ・ハリスンは亡くなった。享年58歳。
事件後、マイケル・エイブラムは精神科に送られ、心神喪失を理由に無罪を宣告され、服役することはなかった。後に彼は自分の行為に対する反省と後悔を表明し、ジョージの家族に許しを請う手紙を書いた。
これは亡くなるひと月前のジョージの写真である。肺癌と脳腫瘍を併発していた。
ここに写っているのは、死の恐怖を乗り越え、運命を克服した一人の偉大な男の姿である。
人生でどんな状況が起こっても、それは自分自身の意識の反映です。ですから、何が起こっても、それに不平を言うことはできません。なぜなら、それは私たち自身の存在の反映だからです。……
この地球、あるいは宇宙で働く自然の法則は、すべてが完璧な秩序で動いています。そして、物事にはある種の知性を持った計画があり、それがすべてを動かしているのです。
私たちの肉体的な存在というのは、非常に微細なレベルでは、木の樹液のようなものです。木には樹液があり、その樹液は木のすべての部分を流れています。私たちの身体は肉体として現れていますが、その原因である樹液は、純粋な意識、純粋な気づきです。そしてそれは完璧であり、完璧な知識です。でも、それを理解するためには、その中に入り込む必要があります。
至福とは、心を超えて思考が関わっていないときにあるものです。
その段階に達するのは、かなり精妙なテクニックが必要です。なぜなら、それは心を扱うことであり、起きているとき、眠っているとき、夢を見ているとき、そのような相対的な意識状態を超越することだからです。そうした相対的なものを超えた、もう一つの意識状態があります。そこに至福があり、知識が存在するのです。
1997年 ジョージ・ハリソンのインタビューより