INSTANT KARMA

We All Shine On

reading diary(postal anxiety)

最近仕事に感じるストレスが増大している。量の問題ではなく質の問題で(量的にはむしろストレスに反比例している)、抽象的な言い方しかできないのが歯痒いが、人品の劣化としか表現のしようのない局面に直面させられる機会が多い気がする。世の中にはもっと苦しい思いをしている人がたくさんいるのだから贅沢言うんじゃないよ、という教説に耳を傾けるつもりはない。ストレス負荷という問題は客観的状況ではなく主観的状態によってのみ測定でき対処すべきものだからだ。不条理の度合(もちろん主観的な)が一線を越えたら最悪(セミ)リタイアという想念も頭を過りつつある。

そんな想念を消去できるのが週末の良いところで、

図書館で東浩紀『郵便的不安たちβ』(河出文庫)、『クォンタム・ファミリーズ』(河出文庫) 、『リアルのゆくえ おたく/オタクはどう生きるか』(講談社現代新書)、『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』(新潮社)を借りてきた。

何から読み始めるべきか、暫し熟慮の末、(180度ターン!)、『郵便的不安たちβ』所収のデビュー作ソルジェニーツィン試論―確率の手触り」から目を通す。メモを取りながら読むが、なかなか良かった。

次に初期の代表的著作存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』に取り掛かる。

冒頭20頁ほど読み進めたところでメモを取るのを放棄し、とにかく千葉雅也が言っていたとおりに「大筋をざっくりとつかむこと(内在的な読み)」を目標にする。

数時間の格闘の後、何とか最後まで目を通したが、原因不明の頭痛と知恵熱と極度の睡魔に襲われてベッドに横になる。目を覚まし、『郵便的不安たちβ』所収の「郵便的不安たち」に取り掛かる。講演をベースにしているということもあってか、驚くほど読みやすく、内容も極めて興味深い。1998年12月の講演(文章)だが現在でも全く古びていない。

そして遂に、小説作品クォンタム・ファミリーズに取り掛かろうとしている。

本当はこれが一番読みたかったのだが、万が一つまらなかったらどうしよう、それであずまんに興味を失ったらどうしよう、との逡巡から手を付けるのを躊躇っていた。

今から読み始める。ドキドキする。