今英国や米国でブレイクしている日本のヘビメタ・バンド「ベビーメタル」に対して、音楽評論家のピーター・バラカン氏が「あんなまがい物が評価されるのは残念」的なコメントをしたために、熱心なファンから非難の嵐だという、ほのぼのした話題がネットを騒がせていて、日本はまだ平和な国ということでいいのかな? と思わずほっこりとした(と同時に絶望的にブルーになった)次第。
正直ベビーメタルはまともに聴いたことがなく、よく判らないのでバラカン氏のコメントが適切なのかどうかは判断のしようがない。まあ、そのことはどうでもよくて、ファンが怒っているのはたぶん、よく知りもしない評論家がバンドへの愛がまったく感じられないコメントをしたことに対してなのだろうと思う。
自分が過去に同じような違和感をバラカンに抱いたことがあって、それは「現代思想」か何かの「マイケル・ジャクソン追悼特集」にバラカンが対談記事を寄せた時のことだ。
マイケルの音楽はあまり評価しないが…的な、いつものピーターの好みではないアーチストを扱う時のスタンスで繰り広げられる冷めたコメントを読みながら、マイケル没後から日がたっていなかったこともあり、はらわたが煮えくり返るような思いがしたのを覚えている。
「バラカン、お前が語るな!」
「だったら出てくんなよ! ピーター!」
という、ファン特有の苛立ち。
この一点において、俺はベビーメタルのファンに共感する。
同様のことは、プリンス没後のいろんな人たちのコメントにも感じるのだが、さすがにプリンスは個人的な思い入れのある人たちの言葉が多いので、反感を持つことは少なく、うんうんと頷くか、生前に彼を知っていた仲間たちのコメントには涙をこらえきれない場合が多いのが救いだ。