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Tales of Moonlight and Rain

溝口健二監督『雨月物語(1953)をAmazonプライムで見た。

今更シネフィルを気取るつもりもないが、勉強のために。

考えてみれば、まだ溝口や成瀬の代表作をほとんど見ていない、ということは、これから見る楽しみがあるということで、とても贅沢なことかもしれん。

さて、『雨月物語』。海外で「映画史上最高傑作」と呼ばれるくらいのレベルで高く評価されているとの予備知識はあった。

感想。京マチ子凄い。オリエンタリズム全開ではあるが俳優のセリフが分かりやすく聞き取りやすく、ストーリーも単純明快で、小難しいところがまるでないのがよかった。

世界観の奥深さという点では、正直そこまでの感銘は受けなかったものの、そんなことを補って余りある映像美と映画としての完成度は流石。

森雅之は「浮雲」のイメージがあるのでこんな野性的な感じの男も演じられるんだと新鮮な感じがした。しかしとにかく京マチ子が凄すぎて、この映画を完全にもっていっている。

この映画は「東京物語」と同じ年の作品、というだけで当時の日本映画のレベルの高さがわかる。