INSTANT KARMA

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お笑い帝国盛衰記

エムカク「明石家さんまヒストリー2」を買いに新宿の大型書店に行ったら在庫切れだった。仕方がないので電子書籍を購入。

「ヒストリー2」は東京で人気者になった後の話なので、「1」ほど興味深い話は少ない。「ひょうきん族」は、それまで毎週見ていたドリフの「全員集合」の裏で変な番組が始まったなあ、と思ってそのうちそっちを見るようになった。「ウィリアムテル序曲」で始まるオープニングもよかったし、エンディング・テーマソングのEPOの「ダウンタウン」が、当時とてもオシャレに聞こえた。

あの頃は、なんてすっかり昭和のオヤジの言い草だが、金曜日には「金八先生」で加藤優が暴れまわっていて(その裏でやっていたプロレスには興味がなかった)、昼間は「笑ってる場合ですよ!」を学校のテレビを勝手につけて見たりしていて、TV番組の豊潤な時代だったなと思う。

話は飛ぶが、さんまは六十歳になったらテレビから引退すると公言していたのに、六十七歳の今も変わらずテレビに出続けている。最近のさんまの番組は全く見ない。テレビに映る自分の顔がみっともなくなったら止めると言っていたようだが、たまに偶然テレビに映るさんまの顔を見るたびに、もう辞めたらいいのにと思う。

周囲の人間も、長年彼に親しんできたファンたちも、妙な忖度があってハッキリ言えないのだと思うが、今のさんまはテレビに出ていい顔ではない。

ミュージックステーションでやる気なさげに座っているタモリも醜い。

たけしも老醜そのものの姿で、活舌が酷すぎて何を言っているのかわからないし、やっと判読したところで言ってることも凡庸で面白くもないので、もう引退すべきだと思う。

そういうことをハッキリ言える人間がどこにもいないのだろう。

だいたいBIG3とか言って帝王のように崇められてきたのが間違いの元だ。

さんまにせよ、たけしにせよタモリにせよ、彼らの<芸>やそれを支える人間性には見るべき点もあった。そのことは疑いない。彼らの問題は品性の劣化ということではなく、もうタレントとしての耐用年数をとっくに過ぎているということであり、それを莫大なギャラを支払って使い続けているテレビ局の問題でもある。

いつまでも醜態を晒し続ける<ビッグ3>の姿は、テレビというメディアの終焉を象徴しているように思えてならない。テレビは「お笑い」と一緒に滅び去る運命なのだろう。

かといって、それに代わる「ネット世界」がより進歩した素晴らしい世界であるということではない。むしろその逆だろう。