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23日の「のん」のインスタに桃井かおりとのツーショットが上げられていた。 「のん」は8月28日に桃井かおりが監督・脚本・主演した映画「火」Heeを観に行っている。 桃井かおりは、日本で女優としての地位を確立した後に、ハリウッド映画のオーディションを次々に受け、2005年に「SAYURI」でハリウッド映画初出演を果たし、翌2006年にアメリカ合衆国映画俳優組合に加入したことでも知られている。 映画「火」Heeは、彼女の監督第2作で、リハーサルなし、練習なし、撮り直しなし。資金がなかったので桃井は自分の家を撮影場所に提供した。彼女の熱い思いは下のビデオ・メッセージで伝わってくる。 ビデオ:自身監督作「火Hee 」で娼婦を演じた桃井かおり 桃井かおりが日本の芸能界や映画業界について持っている意見は下のインタビューを読めばよく分かる。 桃井かおり、停滞する日本映画業界について語る 外国人記者によるインタビューということもあって、かなり率直に語っている。

「日本の場合、本当に海外での販売を視野に入れるような、そういう会社がないですからそれが根本的な問題です。旧態然とした状況がずっと続いていますので。でも音楽業界が変わってきたように、映画も新しい方法を見つけられるかもしれません。そうなると大きく化ける可能性はあると思います。」

「私にはマネージャーはいません。でも普通日本ではマネージャーが仕事を決めます。プロダクションがその所属の俳優を育てていくという、そういう芸者システム が根強いからでしょうね。何もかもお膳立てされていて何も考える必要はないですし、さらにいうなら臨機応変に対応することなど不可能です。アメリカなんかとは全然違いますね。アメリカでは特にテレビの場合、脚本が毎日変わります。日本だと渡された脚本がなんとすでに綴じられていてどこかが変わることがほとんどないですけど、アメリカだと色違いになった新しい脚本ページがどんどん来ます。」

「日本では、演技の勉強をすれば結局一様に同じ芝居をするようになってしまいます。 泣くといえば皆同じように泣くし、怒るというと同じにようしか怒りません。欧米の俳優たちは何度でもやるたびに違うように演じることができますし、やるたびに面白みが出せます。演劇の勉強の仕方が、とにかく全然違っているのです。彼らは戯曲を書くことも学ぶし、演出サイドから自分を見ることも勉強してい ます。役作りでも上辺だけではなくて、なぜそういうことを言うような人間になったのかということを掘り下げる訓練を非常によくやっています。日本ではそうじゃないので、日本の演劇の勉強ならしない方がいいと思います。」

「キャスティング担当の人たちが口を揃えて言うのは、日本人俳優はみんな同じ芝居をする。どの女優さんもみんな、泣くというと同じ泣き方。このセリフを言ってくださいと言われると、みんな同じ言い方。そういう演劇法しか知らないからなんですね。だから演劇法というか芝居を完全に変えなきゃなだめなんじゃないでしょうか。それと自分の意見を言わないで笑っているだけでしょ。

日本はいい子が好きだけど、言い返したりしないで控えめな女の子が好まれるけど、それって普通におかしいでしょ。それも変えないとだめですね。 黒木メイサは 舞台での芝居経験が豊富なので、根性入れてやればアメリカでもいけるかもしれないです。私、以前に上海で一本映画撮って2、3ヶ月彼女と一緒だったときに、すごい根性あるなと思って、アメリカでやるのを私からも勧めたりはしましたね。日本人の女優でそういう根性がある人はほとんどいないですし。そこそこでも日本国内でやっていけるので必要ないんですね。 ただ彼女の場合、日本人的なルックスではないのでアジア人としてのキャスティングが難しいです。同じくらいのセクシーな目つきでダークな肌の綺麗な女優なら、それこそ掃いて捨てるほどいます。

日本の女優はなかなか思い切ったことができないです。チャン・ツィイーとかすごいですからね。がんがんきますし。『SAYURI』(2005年)では、すごく可憐で純真そうな役を演じていて、なかなかよかったですが、実際の彼女はすごいガッツあふれる根性の持ち主です。 真田広之はどんどん飛び込んで行って本当にがんばっています。彼くらいでしょうか。英語もかなり流暢だし、ちゃんと監督たちとも付き合って俳優の仕事をこなしています。」

桃井かおりが国際的なアジア人女優としてチャン・ツィイーを引き合いに出しているのは興味深い。

チャン・ツィイーはハリウッドでデビューしたころには英語がほとんど話せなかったが、エミネムの曲を繰り返し聞いたりして2年で向こうの仕事に支障ない程度までマスターしたという。

今夜のBSプレミアムで「のん」は矢野顕子の「Japanese Girl」制作ドキュメンタリーに出演していた。 ブログでは画家宇野亜喜良とのつながりも示唆されていて、各方面で刺激を受けているようだ。

クリエイティビティに溢れた人々と接することで、いろんなものをどんどん吸収して表現に生かしてもらいたい(ただのファンのくせに上から目線)。

26日発売の「週刊エコノミスト」には「のん」(わざわざカッコつきで「能年玲奈」との表記あり)のロングインタビューが掲載されるというし、なんだか「のん」の世界はわれわれの想像を超えて急速に広がりつつあるようだ。