INSTANT KARMA

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Valley King

栗原 裕一郎、大谷 能生「ニッポンの音楽批評150年100冊」 (立東舎、2021) 

Jazz Dommunistersのファンである身としては、寒くなると冬眠したい。

でもこの本は面白く、特に前半はペリーの黒船から始まり岩倉使節団とか、面白い教科書(形容矛盾)を読んでいるようで、どことなく禁断の香りが漂っていた。明治政府と伊澤修二(西洋音楽の十二音階と邦楽の音階は全く同じ説を唱えて強引に西洋音楽の輸入を推進した)に分かりにくくケンカ売ってるのがいい。

ビートルズ以降になるといきなりナウな議論になる。竹中労、平山正明、渋谷陽一、といったどこかで聞いたことのある名前が出てきて嬉しくなる。

しかし二十一世紀に入り、サブスクとプレイリストの時代に入ると、音楽批評 is deadといった憂鬱と官能の気分が蔓延する。

最終章の半ば投げたような状況論は開き直りと受け止められばいいのか不屈の苦渋に満ちた状況認識の表れと受け止めるべきなのか。

酷い文章で済まぬ。それもこれもPCの動作が重すぎるせいで候。これが限界。

それもこれも急に寒くなったのがいけない。おまけに雨だ。