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メンタリズム

今朝、家にメンタリストDaiGo(メンタリストの方)の著書が二冊あったので、眼を通してみた。

似たような本がたくさんあるので、もしかしたらちがうかもしれない。 猫に元気がないと、こっちまでそうなりかねないが、自然というのはそういうものかもしれない。

今日わかったのは、メンタリストじゃない方のDaigo(ダイゴ)は、あの1978年4月8日生まれの人物のほかに、人気アドベンチャーゲーム「くまのレストラン」を開発したOdencat代表のDaigo氏もいるということであった。 今後、くれぐれもまちがえることのないようにしたい。

 

ところで、「メンタリスト」というのは「メンタリズム」の実践者の意であり、「メンタリズム」とは、セオドール・“テオ”・アンネマン(Theodore "Theo" Annemann、1907-1942)によって創意工夫されたとされている、いわゆる「メンタル・マジック(心理的トリックを用いる手品)」のことである。

彼の書いた Practical Mental Effects という本は今でもメンタリズムのバイブルとして用いられている。そこには、読唇術、筋肉の動きから心理を読み取る方法、記憶術、速読術、スピード暗算術、予知、透視、テレパシーなどのトリックが種明かしされている。

テオドール・アンネマンは、ファーストネームの一部を取って「テオ」と自称し、そう呼ばれてもいたが、テオ(Theo)とはTheosopy(セオソフィー)、つまり神智学という意味もある。

彼は若い頃に霊媒や心霊現象に興味を持ち、神智学協会にも出入りしていたことがあった。神智学協会とは、ロシアの神秘主義者で近代オカルティズムの始祖ともいわれるロシア人、マダム・ブラヴァツキー(1830-1891)が創始した団体であり、十九世紀末にそれまでの薔薇十字団や心霊主義団体などの魔術主義を体系的な思想として主著「シークレット・ドクトリン」にまとめあげ、欧米に多くの信奉者を持ったカリスマ的人物であった。

そしてそれとは直接関係はないが、神智学を信奉する人々の多くを弟子に引きつけたのが、アルメニア出身の神秘思想家で二十世紀最大の魔術師とも呼ばれるゲオルギー・イワノウィッチ・グルジェフ(1879−1947)であった。 グルジェフは若い頃催眠術師として生計を立てており、その後も生活に困ると、サーカスのような興行を行って、そこで読唇術、筋肉の動きから心理を読み取る方法、記憶術、速読術、スピード暗算術、予知、透視、テレパシーなどの「メンタル・マジック」を披露して収益をあげていたという。テオドール・アンネマンがグルジェフの弟子に接近して「メンタル・マジック」のやり方を学んだという可能性は捨てきれない。

アンネマンは二度結婚し、最初の妻との間に娘がいた。晩年は鬱病とアルコールとドラッグの依存症に苦しみ、最大の〈出し物〉であった〈弾丸受け止め術(Bullet Catch)〉を初めて室内で行う予定だった二週間前に自ら命を絶った。1942年1月13日、アンネマンの妻ジャネットが自宅に戻ると、頭に袋を被り、その中にガス管を突っ込んだままソファーの上で絶命している夫の姿を発見した。