War Is Over

 if you want it

素人雑感

「メタサイコロジー論」(ジークムント・フロイト著、十川浩司訳)を読んでいるが「無意識」の論文項で挫折。

あまりにも理解困難なのでフロイト、無意識について語る」(中山元訳)のも読んでみたがやはり頭痛。

しかし、「メタ」の一本目「欲動と欲動の運命」は面白かった(特に冒頭部分)。

フロイト生前から現在に至るまで「非科学」「疑似科学」との批判を受け続けている精神分析について、フロイトが、そもそも厳密科学と呼ばれる分野だってもともと抽象的な観念に基づくものではないか、と雄叫びを上げるところから始まる。

フロイトは「無意識」つまり精神も科学的分析の対象足りうると主張するためにこれらの論文を書いた。

しかし訳者によれば「メタサイコロジー論」確立の試みは挫折(というよりフロイト自身によって放棄)。以降のフロイトは臨床経験や実証主義を離れ、「抽象的思弁」へと走ることになる。

それは突き詰めていけば「俺はこう思う」という「フロイトの主張」にすぎないものであり、評論や文明批評のジャンルに属するものだ。

しかし「無意識」の存在を科学的っぽく立証した業績があまりに巨大だったために、それらの評論も過度な重みをもって受け止められた。現時点ではそう思っている。

「欲動(英語ではinstinct)とその運命」を徹底的に再読したと訳者の言うジャック・ラカン精神分析の四基本概念」(岩波文庫上下巻)も読んでみようと思う。