「疾風怒濤精神分析入門:ジャック・ラカン的生き方のススメ」メチャメチャ面白い。
千葉雅也の言う通りこれを一番最初に読めばよかった。図書館で予約したがなかなか順番が回ってこないので買ったが正解だった。何が書いてあるのかさっぱりわからない(ラカン自身がそうなのだが)日本語になっていないような解説書にばかりぶち当たって来たので、たまに出くわすこういうやさしさが沁みる。まだ読み始めたばかりなので、読み進めるのが楽しみだ。
しかし、何が書いてあるのかさっぱりわからない日本語になっていないような解説書の一つが「ラカン 哲学空間のエクソダス」という本だったのだが、千葉雅也はこれも推薦してるんだよなあ。やっぱりこっちの頭が悪いのだろうか。
今年はどんな年になるのか、どうせあっという間に過ぎ去ってしまういつもと同じような一年になるのだろうと思う一方で、いつもと同じならまだいいのだが、とも思う。
Twitterをフォローしている某霊能者(サイババではない)が、今年は正月の神社に神様がいないと不思議がっていた。そういえば今年は初詣に行かなかった。神様がいない神社に行っても仕方がないと無意識が告げたのだろうか。
私に会いに来たのか、それとも殺しに来たのか、とフィデルは訊いた。両方、とわたしは答えた。
フィデルは目を閉じたままベッドの横にあるナイトスタンドに手を伸ばし、ランプにかけてあった大きなガンベルトを手に取った。一瞬、撃たれるかもしれないと思ってたじろいだ。でも、彼が撃たないことも分かっていた。
フィデルは四五口径を回転させて床尾をこちらに向け、わたしのほうへさしだした。あいかわらず目は閉じている。
「さあ」
わたしはリリース・ボタンを押し、四五口径のクリップをはずした。その音を聞くとフィデルは緊張した。わたしが撃鉄を起こしたと思ったにちがいないが、身を守ったり逃げたりはしなかった。目を開けてこちらを見ようともしなかった。
「だれにもできないんだ、マリータ」
フィデルは悲しげに言った。
「だれも私を殺すことはできない」
そして、わたしに背を向けた。
マリータ・ローレンツ「諜報員マリータ」(新潮社)
あまりにも恥の多い人生を歩んできたのに自覚が足りないので無意識が大変なことになっている。今年は実家の片付けが課題になりそうだ。何をどうしたらしいのか何から手をつけたらいいのかさっぱり分からない。冬から春へ変わり春から夏が過ぎる頃までには何とかしたいのだが。