INSTANT KARMA

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2019-01-01から1年間の記事一覧

ドストエフスキー体験

自分がドストエフスキーを初めて読んだのは18歳のときだが、当時のノートにはこう書きつけてある。 とにかく圧倒的におもしろく、最後までぶっとおしで一気に読み通した。とにかく圧倒的におもしろい。つべこべ言う前に、とにかくおもしろい。小説とはこん…

スヴィドリガイロフ

図書館で『「罪と罰」を読まない』という本を読んで中々面白かった。 作家4人が「罪と罰」を読まないまま想像でああだのこうだの喋っている本なのだが、最終的に読んだ後のスヴィドリガイロフ(スビ)についての分析が自分とほぼ同じだったので共感した。 …

罪と罰

ドストエフスキーのラスコーリニコフの内面を一度でも追体験した者は、父殺しの次の夜のミーチャ・カラマーゾフの訊問を追体験した者は、あるいは『死の家の記録』を追体験した者は、もはや、かたつむりのように俗物根性と自己満足のエゴイズムの殻の中へ隠…

のんさんに何が起きているのか

戦いは既に、のんさんの全面勝利の流れに入っている。 ノルマンディー上陸作戦まで、あと一息。 レ○ロの旦那は、地下室で震えながら待ってな。 のんさんに何が起きているのか エージェントが語る圧力 8/20(火) 10:40配信 朝日新聞デジタル NHKの連続テレ…

ドストエフスキー年譜

この週末は暑さのせいで一歩も外に出ず、ドストエフスキーを読んで過ごす。 新潮社の「ドストエフスキー全集 別巻・年譜」を一通り読む。これは、ドストエフスキーの先祖から没後の動きに至るまで、毎日の出来事をまとめたL・グロスマンによる1930年代の仕…

カラマーゾフあれこれ

ドストエフスキーについては、21世紀になって亀山郁夫が「新訳」を発表し、たいへん売れたらしい(らしい、というのはリアルタイムでは知らず、ネット知識でしかないため)。 そして、この亀山「新訳」については、研究者からかなり批判の声があるようだ(よ…

カラマーゾフの兄弟

暑いので、外に出ず、『カラマーゾフの兄弟』とその解説書を断片的に読みながら過ごす。 読むたびに、ドストエフスキーの作品の中には小説の中で表現できることのすべてが表現されていると感じる。最も高貴なことから最も卑俗なことまで。最も深刻なことから…

スタヴローギンの顔

「悪霊」より、仮面のような顔のスタヴローギン 「すばらしい。赤ん坊の頭をぐしゃぐしゃに叩きつぶす者がいても、やっぱりすばらしい。叩きつぶさない者も、やっぱりすばらしい。すべてがすばらしい。すべてがです。すべてがすばらしいことを知る者には、す…

極楽まくらおとし図

今年もいよいよ熱波の到来により熱中症の危険が日本列島にも訪れた。 世界的に見ると、40度は当たり前で、フランスでもドイツでも42度とかを記録しているという。 週末は深沢七郎『極楽まくらおとし図』を図書館で借りて読んだ。 表題作と、闇、花に舞う、変…

ミステリー・トレイン

実家に戻ったついでに、高校生のときに読んだグリール・マーカス著『ミステリー・トレイン』を読み返してみた。 この本と、デイブ・マーシュ著『明日なき暴走』の2冊は、高校時代のバイブルだった。 『ミステリー・トレイン』という書名は、エルヴィス・プ…

七夕

この週末に読んだ深沢七郎の小説は、 「白笑(うすらわらい)」★★ 「揺れる家」★★★★ 「東北の神武たち」★★★ 「笛吹川」★★★★★ 「甲州子守唄」★★★★ 「みちのくの人形たち」★★★★★ 「秘戯」★★★★ 「アラビア狂想曲」★★★★ 「をんな曼荼羅」★★ 「『破れ草紙』に拠る…

2019.7.1

明日、将棋界において最も重要と言うわけではないのだが、最も注目される一局が行われる。 藤井聡太七段 VS 堀口一史座七段 結果よりも過程がこれ程までに注目される一局はかつてなかった。 堀口七段が、ここ数年の無気力試合のような早投げで午前中にでも…

平岡正明

認識は3秒あればいいのである。それはふつう直観と呼ばれているが、この直観を核にしない認識は、5年かけようと、15年かけようと無にひとしいということも正しいのである。なんのひらめきもなく、ただ現実過程の受動的反映にすぎないデータの束をかかえ…

東京のプリンスたち

深沢七郎『楢山節考』、『月のアペニン山』、『東京のプリンスたち』、『白鳥の死』、『深沢七郎集第8巻』、『深沢七郎ラプソディ』(福岡哲司著)、『深沢七郎、「楢山」と日劇ミュージックホール』(大谷能生)、『なんとなく(深沢七郎に関するエッセイ…

カタギの舌

深沢七郎「カタギの舌で味わう」 バーのホステスというのは職業だ。要するに、稼ぐということが目的だ。「あら、ちょっと私をそこへ座らせてよ」なんて言って座ると、もう座り賃がつく。それでまたすこしたつと、ほかの所へ行って座り賃を稼ぐ。ただ、一番重…

私はいったい、何と闘っているのか

つぶやきシローの書いた小説『私はいったい、何と闘っているのか』を読む。 若い世代は「つぶやきシロー」といってもピンとこないのかな。相当むかし、一番人気が出たころに「つぶやきシロカセ」というのを買ったことがあるくらい、彼のネタが好きだった。 2…

2019.6.14

大友良英の震災後の活動記録『クロニクルFUKUSHIMA』(2011年10月)と翌年に出た対談集『シャッター商店街と線量計』(2012年12月)を読むと、その翌年のドラマ「あまちゃん」にダイレクトに結びついているのが分かって大変興味深い。 あの震災をきっかけに…

2019.6.4

図書館で、デレク・ベイリーの伝記と、大友良英「学校では教えてくれない音楽」を借りる。 前者は、資本主義との関係で、引用に使える文章がたくさんありそうだ。 中原昌也さん誕生日おめでとうございます なぜ安倍首相がここまで首相を続けられるのでしょう…

2019.6.2

昨日は古本屋で「クイック・ジャパンVol.36(スパンク・ハッピー特集)」と「ホラーウェイヴ第1号(菊地秀行特集)」を買い、今日は図書館で「毒血と薔薇―コルトレーンに捧ぐ」(平岡正明著・菊地成孔の解説あり)と「至高の日本ジャズ史」(相倉久人著・菊…

2019.5.2

令和そうそういろんなことがあって面白い。 人生は驚きに充ちている。 まずはたかみな結婚のニュース。おめでとうございます。 15歳年上の方とか。末永くお幸せに。ますますのご活躍を祈念いたします。 そして、TWICEのサナが元号のことをインスタに…

2019.4.15

今週、さいたまスーパーアリーナで行われる、EXO-CBXのコンサートに行きます。(マジ) 知らない人のために解説すると、EXO‐CBXというのは、「K-POPの帝王」と呼ばれている人気グループEXO(エクソ)のメンバー、ベクヒョン、チェン、シウミンの3人によ…

令和

新元号は「令和」に決まったようだ。 これは私が神との直談判で予め決めておいた名前であり、そこには深い意味が込められているのだが、そのことに気づいている人はこの世に二人といまい。 英語では Order and Harmony などと訳されているようだが、それは真…

2019.3.31

中原昌也『パートタイム・デスライフ』は、以前雑誌に掲載されていたのを読んでいたので自分にとっては新作という雰囲気ではなかったが、それでも十分に楽しめた。 ただし、僕の錯覚かもしれないが、最後の章だけは、いまいち刺さってこなかった。本当に中原…

愛が嫌い

文學界2018年7月号掲載の町屋良平『愛が嫌い』を読む。 現代を生きるキツさがとても丁寧に描かれていて、読者がどういう社会的立場にあるかで、感想はおのずと異なってくるだろう。 ネタバレ(というほどのストーリーはないのだが)をするので、これから読む…

2019.2.23

春のにおいがするような日。 『しき』(町屋良平、河出書房新社、2018年)を読む。なぜか落涙。 計算された稚拙な文体と時折挟まれる語り手のアフォリズムめいた語りが青春のエモさを剥き出す。 山田詠美とかいう作家(自分はこの人にまったく関心がないので…

2019.2.20.22.22

『青が破れる』の単行本の中に入っている『脱皮ボーイ』という短篇を読んで、笑う。 この感覚は、ぼくのなかでは、中原昌也を読んでいるときに近い。 町屋良平の文章がもっと読みたくなり、『愛が嫌い』という作品が掲載されている、『文學界』2018年7月号を…

資本主義リアリズム

2週間くらい前に妻にアマゾンで注文してもらったマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』の原書が届く。 邦訳の半分くらいの厚さの、薄い本だったのが意外だった。 町屋良平『青が破れる』と『しき』を図書館で借りる。 「資本主義リアリズム」の感想は…

2019.2.17

文藝春秋に掲載されている芥川賞作品・町屋良平『1R(ラウンド)1分34秒』を図書館で読む。 面白くて、一気に読んでしまった。文章が素直で好感が持てた。 自意識のドロ沼の葛藤を描いているようでいながら、そこに一種の爽やかさを感じるのは、文体に…

2019.2.9

『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳)を買って読む。 韓国では100万部が売れ、社会問題となったという、フェミニズム小説。 声高な調子ではなく、読者の誰もが(男性が読んでも)静かに共感できる仕方で、1982年生まれの…

20190203

ウワシンの岡留編集長が亡くなったニュースがショックだが、今日は高尾山に登って降りて普段歩き慣れてないのを舐めてかかって結果疲労困憊。 明日の筋肉痛を恐れつつ足を投げ出して眠りに就くのみ。