INSTANT KARMA

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将棋関係

棋士群像(深浦康市九段と佐々木大地四段)

今、将棋ファンの間で天井知らずの赤マル人気急上昇中なのが、深浦康市九段であろう。 A級トップ棋士の一人であり、羽生王位からタイトルを奪取し、翌年に羽生の挑戦を退けたこともある。 形勢不利になってもとことんまで食い下がる、粘り強い棋風で知られ…

透明の棋士

少し前から気になっていた本を買った。 新聞記者による棋士をめぐるエッセイ。 将棋本にはいくつかの種類があって、(1)プロ棋士による定跡本や実戦譜など、将棋の勉強のための本。(2)観戦記者や将棋関係者による、将棋界の内幕本。先日の記事に書いた…

棋士群像(木村一基九段)

将棋ファンの間ではすっかり「将棋の強いおじさん」として認知されている、玉頭の薄さをものともしない強靭な受けの棋風で知られる「千駄ヶ谷の受け師」こと木村一基九段である。 ニコ生などの将棋番組で登場する日は、僕などは一日中パソコンの画面を見なが…

棋士群像(三浦弘行九段)

2016年、竜王戦の挑戦者になった三浦は、あやうく棋士生命を絶たれる危機に遭遇する。 幼い頃から1日20時間将棋の手を考えるという生活を送り、人生のすべてを将棋に捧げてきた三浦にとって、棋士であることを否定されることは、自らの存在意義を失う…

棋士群像(先崎学九段)

将棋の棋士たちが好きだ。 自分の実力だけが頼りの世界に生きる人間だけが持つ清々しさを感じる。 勝負師であると同時に、将棋の普及のために尽力する役割を果たす棋士もおり、勝負に徹することに専念する棋士もいる(普及活動への参加は強制ではなく、棋士…

マジックを超えたミラクル

昨日のブログで、藤井聡太はまだ今の羽生善治には及ばないと書いたばかりだが、見事に裏切られた。 本日の朝日杯将棋オープンの準決勝(羽生善治戦)、決勝(広瀬章人)との対局は、完全に実力で圧倒していた。 ラッキーパンチが入ったというのではなく、シ…

国民栄誉賞

今更という気もするけれど、羽生善治竜王に国民栄誉賞。囲碁の井山裕太七冠も同時受賞。 ここ数年のプロ棋士の世界は、コンピューター(AI)の台頭とその余波とも言えるソフト指し疑惑事件(竜王戦)などでその威信が揺らぎまくる気配があった。しかし、昨…

映画『聖の青春』(2)

大崎善生原作『聖の青春』を読んで感動し、専ら「観る将」ではあるが、プロ棋士の将棋にある程度の思い入れのあるファンとして、映画『聖の青春』は観なければならない作品であったし、映画の出来うんぬんよりも、この作品が今こうして立派な形で映画化され…

映画「聖の青春」

見てきた。 ノンフィクションの映画化を謳っているわりには事実関係をかなり、それも本質的な部分で改変しているのが気になった。 主演の松山ケンイチと東出昌大の熱演には敬意を表したい。 感想は改めて書こうと思う。

「最後の一行を書き終えた日の午前5時、急に涙が溢れそしてそれは止まらなくなってしまった」

僕はそれに接すると無条件に涙腺が刺激されるものがいくつかあって、一つはベートーベンの第九交響曲、二つは宮沢賢治の童話、三つには村山聖に関するもの。 以下は将棋ペンクラブ会報2000年秋号、将棋ペンクラブ大賞受賞の大崎善生さんの「第12回将棋ペンク…

みうみう Nws yog kev zoo siab

注目の一戦、NHK杯将棋トーナメントの橋本VS三浦戦は、橋本の会心譜であった。 敢えて三浦の土俵と言える横歩取りに踏み込んで、飛車角総交換の激しい将棋になり、見事に競り勝った。 「口だけ番長」ではない将棋の実力を見せつけた。 この対局が9月19…

三浦事件というより連盟コンプラ破綻問題

三浦弘行九段が21日に公表した2回目の反論文書の全文は以下の通り。 対局中の将棋ソフト使用疑惑について(2) 一部マスコミにて事実と異なる内容が報道されているため、重要な点についてのみ誤りを指摘しておきたいと思います。 まず、平成28年10月…

いつの間にか少女は

病中の女流棋士、林葉直子(48)が、対局中にスマートフォンの将棋ソフトを使用した不正疑惑が浮上した三浦弘行九段(42)について「ありえないと、思うけどなぁ」と私見を述べた。 林葉は15日に更新したブログで、三浦九段の不正疑惑について「スマホ…

電王戦トーナメント雑感

35のコンピューター将棋ソフトが出場した「第4回将棋電王トーナメント」決勝戦が10日、東京・六本木で行われ、昨年の優勝ソフト「Ponanza(ポナンザ)」が2連覇を達成し、「電王」の称号と賞金300万円を獲得した。ポナンザは第1回でも優勝…

いやあ・・・

いやあ、コンピューター将棋の日本一を決める電王戦(優勝ソフトがプロ棋士の優勝者と戦う)をこの連休にやってるんだけど、面白いなあ。 Ponanza(将棋ソフトの名前)強いなあ。技巧(ソフト名)に圧勝だよ。 今日は羽生さんと深浦さんの将棋もあるし(横歩…

村山将棋を語る

『村山聖名局譜』より。 羽生 何て言うのか、こう波がある感じ。大きな波がある感じ。悪い手も指すけれど、すごくいい手も指す。すごい勝負手を指すとか。強くそういうことを感じますね。 先崎 渋さはなかった、まったく。あの言動どおりだった(笑)。とに…

村山聖名局譜

村山聖名局譜(羽生善治、先崎学共著) 村山が生前に残した棋譜の中から厳選した10局を、羽生と先崎が解説している。 追悼本のような湿っぽさは微塵もなく、科学者が検体を分析するように冷静に淡々と、かつ陽気に、棋譜を解析している。その様子が清々しい…

聖の青春 その4

今日もしょうぎのれんしゅうを六、七時間しました。朝から夕がたまでです。そしてまだ、のこっているので夜、やろうと思います。あと二もんです。だから時間はあと一時間です。 ぼくはこの一年間のうちだいぶんしょうぎが強くなりました。それはなぜかという…

聖の青春 その3

四段になって数えていた。 六十連勝すれば名人になれる。 だが勝ちたいと思う勝負に負け何度も挫折した。 その度に立ち上がり、上を目指した。 何故A級八段になれたのだろう。 体も弱いし将棋も余り強くない僕が、何故? 神様のすることは僕には予測できな…

聖の青春 その2

「母さん、淀川で昨日人が溺れて死んだって新聞に出ていた」 「まあ」 「でも誰も助けにいかんかったそうじゃ」 「泳げる人がおらんかったんでしょう」 「母さんなぜそんなこと言うの?」 「え?」 「僕だったら助けに飛びこんだ」 「だって、聖泳げないでし…

聖の青春

村山聖が3歳の頃に罹患した腎ネフローゼは、昭和47年の身体障害者福祉法の改正により、身体障害に加えられたじん臓機能障害である。 臨床症状は極度の疲労や発熱が誘引となって、大量の蛋白尿、低タンパク血症、著しい浮腫の三つが見られるとされている。…

史上最年少の将棋プロ誕生 藤井聡太三段

史上最年少の将棋プロ誕生 藤井聡太三段 将棋のプロ棋士を養成する第59回奨励会三段リーグの最終日は3日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、藤井聡太三段(14)が13勝5敗でプロとなる四段昇段を決めた。10月1日付の昇段で、14歳2カ月でのプロ…

LOVE MAKES THE WORLD GO ROUND

この夏、将棋界が静かに揺れている。 棋士にとっては、将棋の普及活動も重要な仕事の一つだ。将棋というゲームの普及だけでなく、人気商売という側面もある棋士の人間的魅力のアピールも大切である。 今年羽生善治から名人位を奪取した佐藤天彦名人はじめ、…

不屈の棋士

話題の新書「不屈の棋士」(大川慎太郎、講談社現代新書)を読んだ。 プロ棋士とコンピューター将棋に関する本はこれまでいくつも出ているが、これは羽生、渡辺というトップ棋士を含む11人のプロ棋士(森内俊之、佐藤康光、糸谷哲郎などの元タイトルホルダー…

羽生名人VS.AI(人工知能)?

昨日行われた、ニコニコ生放送のドワンゴ社主催の将棋電王戦第2局、山崎叡王VS.ポナンザの対局は、少なくともコンピューターの表示する評価値の上では、早くも1日目で苦境に陥った山崎叡王が、2日目もジリジリと不利を拡大し、いいところのないまま敗…

電王戦が終わった感想

将棋のプロ棋士5人と、コンピューターの将棋ソフトが対戦するイベント、「電王戦」の最終局が東京で行われ、対局が始まって僅か49分でコンピューター側が負ける異例の展開となって幕を閉じた。 団体戦という形ではこれで最後ということで、今後何か別の企…

電王戦感想(2)

第3回電王戦について、将棋連盟は「前向きに協議中」だそうだが、谷川会長は頭が痛いだろうな。 三浦八段があんな風に敗れた以上、次回は最低でも一人は彼以上の棋士を出さないわけにいかなくなった。 そうなると、現タイトルホルダーの森内名人、羽生三冠、…

電王戦感想(1)

昨日のGPS将棋VS三浦弘行八段戦の衝撃をまだ引き摺っている。 とにかくGPS将棋の実力が圧倒的過ぎた。東大のコンピューター670台を総動員して、1秒に2億5000万手読むというとんでもないマシンは、まるで一人の格闘家がマシンガンを構えた600人の部隊を相手に…

電王戦結果

総括的な感想は改めて書くとして、現時点での感想は、来たるべき日が来たな、ということだ。 この結果が今後の将棋界に与える影響は計り知れない。 一言、三浦八段には心からお疲れ様と言いたい。

電王戦

明日はいよいよ第2回電王戦最終局、三浦弘行八段とGPS(コンピューター)との対戦が行われる。 もはや「プロが勝って当たり前」とは言えない状況で、どんな勝負になるか楽しみだ。 三浦八段が完勝すれば、まだトッププロの領域には達していない(少なくとも…